お庭がある一軒家を建てたり買ったりしたのは良いんだけど、ご近所さんに比べると自宅が何となく寂しく感じることってあると思います。
そんな場合には、ガーデニングが趣味の私ならお庭を含めたお家の周りをお花で埋め尽くすところですが、庭木を植えるのがオススメですよ。
庭木を植えることでお家全体がおしゃれな感じになるだけでなく、木の種類によってはお家の目印にもなりますし、お庭の目隠しの役割も果たしてくれます。
そこで植えることでお家がおしゃれになる庭木の種類やお庭に植える木を選ぶ際に注意することなどについて詳しく見ていきますね。
おしゃれな庭木の種類
まずは庭木として植えられているとおしゃれな木の種類を紹介するんですが、ファッションでもそうですがおしゃれの基準って人それぞれだったりしますよね。
一般的におしゃれと言われている庭木の種類をいくつか紹介しますから、その中から自分がおしゃれだと思うものを選んでください。
おしゃれな庭木として人気があるのが
・ソヨゴ
・ヤマボウシ
・シマトネリコ
・モミジ
などです。
いずれも庭木として人気のある木ですから、ホームセンターなどで苗木を簡単に手に入れられますし、お世話にも比較的手がかかりませんよ。
おしゃれな庭木として人気の「ソヨゴ」
数ある庭木の中でもおしゃれな種類として高い人気を誇るのが「ソヨゴ」ですね。
実際に庭木関連のサイトを見ても、必ずと言って良いほどソヨゴの名前が挙がっているぐらい庭木として人気があるんですよ。
ソヨゴは葉が波を打ったような形になっているのが特徴の常緑樹で、柔らかいイメージを持っています。
ちなみにソヨゴという名前は、「葉が風にそよそよとそよぐ」ことに由来しているんです。
常緑樹ですが暑さだけでなく寒さにも強いので冬に枯れる心配が無く、日当たりがそれほど良くない場所でも問題無く育てることができます。
なので、植物のお世話に慣れていないビギナーでも比較的お手入れしやすい庭木ということでもソヨゴは人気があるんですね。
高木のソヨゴはシンボルツリーにもなる
ソヨゴは他の木に比べると生長が遅めなんですが、
生長すると高さが5~10mにもなる高木です。
そのためソヨゴはシンボルツリーとしての役割も果たしてくれます。
道案内する時などに「立派な柿の木があるお家」とかって言うことがありますが、庭木としてソヨゴを植えることで自分の家を「ソヨゴの木があるお家」として認識してもらえるんですね。
もちろんシンボルツリーとしてだけでなく、背が高くなるソヨゴは掃き出し窓や玄関の目隠しという実用的な役割も果たしてくれますよ。
ソヨゴは雌雄一対で植えるのがおすすめ
ソヨゴは5~6月の初夏に白いお花が咲き、そして10~11月になると今度は小さな赤い果実を付けます。
秋に付けた果実は冬まで残りますから、ソヨゴは初夏から冬にかけてお花と果実を楽しむことができるわけです。
ただソヨゴは雌雄異株のため、お花は雌雄どちらかだけでも咲きますが、果実は雌雄両方の株が揃っていないと付きません。
なので庭木としてソヨゴを植えるんだったら、秋から冬にかけて果実も楽しめるように雌雄一対で植えるのがおすすめなんですね。
とは言え庭木を植えるスペースには限りがあるでしょうから、1本しか植えられない場合はお花を多く咲かせる雄株の方が良いんじゃないでしょうか。
おしゃれだけどお手入れが簡単な「ヤマボウシ」
先のソヨゴと並んでおしゃれな庭木として高い人気なのが「ヤマボウシ」です。
ヤマボウシはお花が咲きますし果実も付けますし、さらに秋になると葉が色付くので紅葉もという1本で何度でも楽しめるんですね。
日本の自生種であるヤマボウシは日本の気候風土にピッタリで、気温も湿度も高い夏や気温も湿度も低くなる冬でも枯れる心配がほとんど無く
育てやすいのも魅力です。
ヤマボウシは高木ではあるんですが、放っておいても樹形が整うようになっているので、特に剪定しなくても育ちすぎておしゃれじゃなくなる心配もありませんよ。
またヤマボウシは和洋どちらにも合わせられるので、
育てたのは良いけどお家の外観に合ってなかったなんてことも無いんですね。
ヤマボウシの花はハナミズキと同じ?
ヤマボウシは5~7月にかけて白いお花を咲かせるんですが、そのお花が「ハナミズキ」によく似ています。
ヤマボウシのお花の方が少し小さいのと、花弁の先端が尖っているのがヤマボウシで花弁の先端にくぼみがあるのがハナミズキという違いぐらいしかありません。
ヤマボウシとハナミズキは近縁種なのでお花の色や形が似ているんですね。
華やかさではハナミズキに軍配が上がりますが、ヤマボウシの方が開花期間が長いのでお花を長く楽しむことができます。
開花時のおしゃれ度を優先するならハナミズキ、お花が咲くおしゃれ期間を長く楽しみたいならヤマボウシといったところでしょうか。
ヤマボウシの果実からジャムが作れる
ヤマボウシはお花が咲き終わると赤い果実が生るんですが、ヤマボウシの果実は食べることができます。
果実が熟す8月末頃から10月であれば生でも食べることができるので、ヤマボウシ狩りなんてこともできちゃいますよ。
ブツブツであまり美味しそうな見た目じゃないものの、生で食べても甘くてマンゴーやバナナ、アケビのような味がするんだそうです。
(私が食べたことがありません)
またヤマボウシの果実の皮を剥いたものに砂糖を加えて加熱して、とろみが出たら仕上げにレモン汁を入れることでジャムにもなるんだとか。
見た目がおしゃれなだけじゃなくて、果実が食べられるという実用的な面もヤマボウシにはあるんですね。
品種によっては紅葉しないことも
日本の自生種であるヤマボウシは落葉樹ですから、
昼と夜の気温差が大きくなる秋には葉が色付いて紅葉を楽しむことができます。
春には花が咲き、夏には果実が生り、秋には紅葉、冬には葉が落ちる、庭木としてヤマボウシを植えるだけで日本の四季を感じられますよね。
ただ日本の自生種ではなく、主に中国原産のヤマボウシは落葉樹ではなく常緑樹なので注意が必要です。
常緑樹のヤマボウシは艶やかさこそありませんが、落葉樹のヤマボウシに比べると花付きが良く果実も多く付けます。
しかし常緑樹ですから秋になっても葉は色付きませんし、冬に葉が落ちることもないんですね。
お庭に日陰を作ったりお家の目隠しをするという目的であれば、むしろ冬でも葉を落とさない常緑樹のヤマボウシの方が向いていますよ。
常緑樹のヤマボウシは
・ホンコンエンシス
・ヒマラヤヤマボウシ
などの品種名になっているので、
日本の自生種で落葉樹のヤマボウシと見分けられるようにはなっています。
洋風のお家にピッタリな「シマトネリコ」
常緑樹で、庭木としてだけでなく街路樹としても人気が高いのが「シマトネリコ」です。
見た目がおしゃれなだけじゃなくて、比較的価格が安いので手に入れやすく、日本全国で販売されているということもシマトネリコの人気を下支えしています。
原産地が
・沖縄
・インド
・東南アジア
などの南国なので、どちらかと言うと洋風な雰囲気を持った庭木なんですね。
そのため日本家屋など和風の建物にはあまり合いませんが、現代的な洋風のお家にはシマトネリコはピッタリですよ。
ただシマトネリコは生長が早く剪定も必要なので、先のソヨゴやヤマボウシに比べるとお世話するのに手間がかかります。
夏場は清涼感を与えてくれる
元々シマトネリコは爽やかなイメージのある木ですから、庭木としてお庭に植えておくことで清涼感を与えてくれます。
特に最近は日本も温暖化の影響で夏場の暑さが増しているので、庭木で涼やかさを感じられるのは良いですよね。
またシマトネリコは6~7月に金木犀のような小さいお花をたくさん咲かせるんですが、そのお花もフワフワしていて涼やかさを感じさせてくれますよ。
シマトネリコは寒さに弱くないが・・・
シマトネリコは沖縄など南国原産だけに暑さには非常に強く、夏は猛暑となる日本でも夏枯れの心配はほとんどありません。
南国原産だと暑さに強い反面寒さに弱いことも多いんですが、シマトネリコは寒さにもそれほど弱くはないんですね。
日当たりのあまり良くない日陰でも育ちますし、最低気温が-3℃までの地域であれば冬枯れの心配もありませんよ。
最低気温が-3℃までなので関東以南なら基本的に大丈夫ですが、北陸や山陰など雪の多い地域では落葉樹でないにも関わらずシマトネリコが葉を落とすこともあります。
とは言ってもシマトネリコがある程度の大きさまで生長すれば、冬場に気温がある程度下がっても葉を落とすことは少なくなり、
葉を落としたとしても春になれば芽吹きます。
ですからシマトネリコが生長してしまえば、大寒波で最低気温が-3℃を下回るようなことがあっても葉を落とすことはほとんどないんですね。
シマトネリコは生長が早い
シマトネリコの生長は非常に早くて、地植えだと葉が茂っている枝部分は1年で50~60cmも伸びるんです。
おしゃれなシマトネリコでも伸び放題にしていると見た目が良くなくなりますし、枝が自宅に面した道やお隣の敷地にまで飛び出してしまいます。
シマトネリコは落葉樹じゃないので落ち葉のトラブルはありませんが、自宅から飛び出した枝が表を歩く人やお隣さんに迷惑をかける恐れは十分にありますね。
また生長によって葉が増えることで全体の風通しが悪くなり、シマトネリコが病気になってしまうことも考えられます。
ですから早い段階から上方向や横方向に伸びる枝を適度に剪定して、風通しを良くして自宅の敷地から飛び出さないようにしておかないといけないんですね。
シマトネリコは丈夫な木なので、思い切って枝を切り落としても枯れたり腐ったりすることはありませんよ。
ただおしゃれな樹形を保ちたいのであれば、自分で剪定するのではなくて、専門の業者さんにお願いした方が良いかもしれないですね。
和の雰囲気にピッタリな「モミジ」
先のシマトネリコは洋の雰囲気にピッタリでしたが、反対に和の雰囲気にピッタリなのが「モミジ」です。
秋になると葉が色付く紅葉の代表的な樹木でもあり、紅葉の名所と言われるところには必ずと言って良いほどモミジが植えられています。
モミジは北半球が原産で約160種類あるんですが、その内30種類以上が日本の自生種なんです。
そのため日本の気候風土に適していて育てやすく、ちゃんとお手入れさえしておけば暑い夏や寒い冬でも枯れる心配がありませんよ。
ちなみにカエデと言われる種類もありますが、植物分類上ではモミジとカエデは区別されていません。
(日本では葉が小さいものをモミジ、大きいものをカエデと区別することもある)
秋だけじゃなく春も夏も楽しめるモミジ
モミジと言うと一般的には秋に紅葉する樹木というイメージですが、モミジは秋に干渉するだけの樹木じゃありません。
秋に色付いた葉は冬になると全て落ち、春になると若葉が芽吹いて花が咲き、夏には葉が青々と茂って花は果実へと変わります。
そしてまた秋になると葉が色付くので、葉が落ちてしまう冬はともかく、秋以外の春や夏もモミジは愛でることができるんですよね。
モミジの花はものすごく小さいので華やかさこそありませんが、芽吹いたばかりの若い緑の葉の間からチラッと見える小さい赤い花は何とも言えない美しさです。
花が咲き終わると果実に変わるんですが、プロペラのような花弁の名残が付いていて、熟すと実際にプロペラのようにくるくると回転しながら落ちていきます。
私は実際にモミジの果実がくるくる回転するのを見たくて、お庭にモミジを植えている
友人にお願いして果実が熟す頃にモミジを見せてもらったことがあります。
本当にくるくると回転しながら落ちていくので、
次はどの果実がいつ落ちるのかと子供のようにワクワクしながら見続けてしまいました。
若木の時からの剪定が必要
モミジは生長が特別早いわけではありませんが、
放っておくと大きく生長しすぎてしまいます。
しかもモミジは落葉樹で冬になると葉を落としますから、生長しすぎて自宅に面した道や
お隣さんの敷地に枝が飛び出すと落ち葉のトラブルに発展するかもしれません。
ですからモミジも適度な剪定が必要なんですが、生長してからではなく若木の段階から
剪定しておくことでおしゃれな樹形を保つことができますよ。
ただモミジは刃物を使って剪定すると弱ってしまうぐらい繊細なので、剪定するのが非常に難しい樹木なんです。
実際にプロがモミジを剪定の指標としていますから、DIYで剪定するとモミジを枯らしてしまう可能性も決して低くありませんよ。
モミジは、根元が1本の単幹種よりも根元から数本に分かれている株立ち種の方が
適度な大きさに維持しやすいです。
なので庭木を植えるスペースがそれほど広くないとかお隣の敷地との距離が
近いなどいった場合は、単幹種ではなく株立ち種を選ぶと良いですね。
目隠し目的なら常緑樹、おしゃれさなら落葉樹
「どういう目的で庭木を植えるのか」を明確にしておくことで、自ずと庭木として植える樹木が絞られてきます。
自宅が人通りの多い道路に面しているなどの理由で目隠しとして庭木を植えるというのであれば、ソヨゴやシマトネリコといった常緑樹を選ぶと良いですよ。
ヤマボウシやモミジといった落葉樹は冬になると葉が落ちてしまうので、冬場は目隠しとしての役割が十分に果たせません。
その点ソヨゴやシマトネリコといった常緑樹は葉が落ちませんから、季節を問わずに目隠しとしての役割を十分に果たすことができるんですね。
目隠しという実用面ではなく、インスタ映えなどおしゃれさを優先するんだったら
常緑樹より断然落葉樹がおすすめです。
落葉樹は秋になると葉が色付きますから、ちゃんとお手入れをしてあげると、
紅葉スポットに行かなくても自宅で紅葉狩りができちゃいます。
ただ、ファッションでは「おしゃれは我慢」と言いますが、
おしゃれさ優先の落葉樹には落ち葉掃除の大変さがあります。
常緑樹の方が手がかかる
目隠しという実用的な使い方ができる常緑樹ですが、
お手入れの面では落葉樹よりも常緑樹の方が手がかかるんです。
落葉樹の中でもヤマボウシやモミジは日本の自生種でもありますから、
夏越しや冬越しの準備は特に必要ありません。
ところが常緑樹はシマトネリコのように南国原産だったりすることが多いので、暑さには強いものの寒さには弱かったりします。
そのため北風が直接当たるような場所に植えるのは避けないといけませんし、
霜の影響なども考慮する必要があります。
先に紹介したソヨゴやシマトネリコは常緑樹でも比較的寒さに強いので、お手入れにはそれほど手がかかりません。
なので目隠し目的で常緑樹を庭木として植える場合には、ソヨゴやシマトネリコのように寒さに強い種類を選ぶと良いですよ。
常緑樹も葉を落とす?
常緑樹は落ち葉掃除が不要と先に書きましたが、常緑樹が一切葉を落とさないわけではありません。
樹木も元気な内は新陳代謝を繰り返しますから、不要になった葉が落ちて新しい葉が生えてきます。
なので落葉樹のようにごっそり葉が落ちることはありませんが、
冬場から春先にかけてある程度は葉が落ちるんですね。
落ち葉を放っておくと腐って樹木に良くない影響を及ぼすことがありますから、
常緑樹でも時期によってはこまめに落ち葉掃除をすることが重要ですよ。
落葉樹は夏の葉焼けに注意が必要
落葉樹は、冬場に葉を落とすことで春に向けてエネルギーを蓄えるので、
比較的寒さには強いです。
ところが種類によっては反対に暑さに少し弱く、
日光に当たる時間が長くなると葉焼けを起こしてしまうことがあります。
ですから庭木として落葉樹を植える場合には、太陽の位置によって日陰となる場所に
植えて日が当たる時間を半日以下に抑えてあげないといけません。
自宅建物に沿うような形にしてあげることで、
自宅建物が日傘の役割を果たすので葉焼けを防ぐことができますよ。
ただ秋にキレイな紅葉を見るためには、
日当たりの良い場所に落葉樹を植える必要があります。
また日中と夜間の温度差も葉が色付くには重要ですから、
できるだけ自宅建物からは離した方が良かったりします。
なので葉焼けを防ごうとするとキレイに紅葉しないことになりますし、
キレイに紅葉させようとすると葉焼けを起こすリスクが高くなってしまうんです。
素人だとこの辺りのさじ加減が分からないので、庭木として落葉樹を植える場合は
プロの業者さんなどに相談した方が良いかもしれないですね。
庭木を植えると助成金が貰える!?
自治体によっては自宅に庭木を植えることで助成金を貰えることがあるんです。
緑化による温暖化防止や火事が発生した際に庭木が防火壁となり延焼を防ぐ
といったことで、庭木に対して助成金が出るようになっているわけです。
例えば東京の世田谷区であれば、
・新たにシンボルツリーを植える
・既存のブロック塀を撤去してシンボルツリーを植える
といった場合に助成金が貰えます。
高さ1.5~2.5m未満の中木だと1本あたり12,000円まで、
高さ2.5m以上の準高木だと1本あたり24,000円までとなっています。
ちなみに既存のブロック塀を撤去して樹木を植えた場合には、
撤去したブロック塀1mにつき5,000円までの助成金がプラスされます。
青天井じゃないものの最大で250,000円まで貰えるので、植える本数によっては
苗木の購入費用はもちろん業者さんの植栽費用まで賄えるかもしれませんね。
全ての自治体でこういった助成制度が行われているとは限りませんから、庭木を
植える前に自宅がある自治体に植栽に対する助成制度が無いか確認してください。
ちなみに私が住んでいる自治体には植栽に対する助成制度があるみたいなので、
庭木を植える際には利用しようと思います。
(予定はありませんが・・・)
まとめ
庭木として人気のある樹木をいくつか紹介しましたが、
樹木の人気に左右されるのではなく、自宅周辺の環境や庭木を植える目的で植える
樹木の種類を選ぶようにしましょう。
お隣さんの敷地と接したスペースに植えるんだったら葉があまり落ちない常緑樹に
するとか、庭木を植えるスペースが北向きなら寒さに比較的強い落葉樹にすると
いった感じですね。
それ以外にも
・庭木を目隠しにするのか否か
・お手入れにどれぐらい手がかかるのか
・生長のスピード
なども庭木を選ぶ際には考慮した方が良いですよ。
庭木は植えたいけど、どの樹木が良いか分からないんだったら、
園芸店などでプロの業者さんに相談して見るのも良いんじゃないでしょうか。