外構工事は自分でできる?業者に頼んだほうが良い?


玄関前のアプローチや自宅の敷地とお隣さんの敷地を分けている塀、
愛車を停める駐車スペースなどの外構工事をしたいと考えている人も多いと思います。

でも業者さんにお願いするとなると費用面が心配だし、だからと言ってDIYで
行うとしても自分でどこまでの外交工事ができるのか分からなかったりしますよね。

実際に自分で外構工事を行うことは可能ですが、DIYでできる範囲は限られてて、
さすがに業者さんと同じレベルのことまではできません。

そこで外構工事を行う場所や方法を見ながら、
自分でどこまでできるのかを検証してみましょう。

外構工事を行う主な場所

一般的に外構は建物周辺の環境や空間のことを指していて、住宅で言うと
・玄関前
・塀
・駐車スペース
・庭
などとなりますね。

玄関前だと、門扉から玄関までのアプローチをコンクリートやインターロッキングなどで
舗装するといったことがあります。

お隣さんや表通りと接してるお庭やサイドヤードに、
目隠しの役割も果たす塀を設置するのも外構工事となります。

土の地面をコンクリートで舗装して車を停められるようにしたり、
駐車スペースにカーポートを設置するなんてこともありますよ。

お庭の雑草対策として砂利や防草シートを敷くのも外構工事に含まれますし、
ガーデニング用の花壇を作るのだって立派な外構工事なんですね。

玄関アプローチを舗装する

玄関アプローチの舗装については、自分でできないことはありませんが、
DIYで行うにはかなりハードルが高いと思います。

玄関アプローチを舗装するには、
門扉から玄関までの施工範囲の土を少し掘り下げる必要があります。

舗装したことで段差ができるとかえって歩きにくくなりますから、玄関アプローチと
その周辺で段差ができないように少し掘り下げておかないといけないわけです。

掘り下げてコンクリートで舗装する部分に木枠を嵌めて、
コンクリートの強度を高めるワイヤーメッシュを入れてコンクリートを流し込みます。

あとは凸凹にならないように表面をコテなどで均して、
コンクリートが乾けば玄関アプローチの舗装は完了です。

施工範囲を掘り下げて出た土の処分

施工方法だけ見ると玄関アプローチの舗装は自分でも比較的簡単にできそうですが、
DIYだと問題となる点がいくつかあります。

まず第1の問題が、玄関アプローチを舗装するのに土を少し掘り下げますが、
その掘り下げて出た土の処分方法です。

自治体によっては少量の土なら家庭ごみで出すこともできますが、
量が多くなると家庭ごみとして出すことはできません。

土も量が多くなると立派な産業廃棄物ですから、河川敷などに捨てるなんてことも
できず、基本的には産廃処理業者に有料で引き取ってもらわないといけないんですね。

ホームセンターや園芸店では店舗によって土の引き取りサービス(有料)を
行っていることもあるので、それを利用する方法もあります。

業者さんに施工をお願いすれば土は業者さんが処分してくれますが、
自分で施工するなら土の処分方法を考えておきましょう。

コンクリートは表面を均すのが難しい

玄関アプローチをコンクリートで舗装する場合、最後に表面が凸凹にならないように
コテなどで均しますが、この表面を均す作業が結構難しいんですよね。

セメントに砂と砂利を混ぜて水で練ったものがコンクリートで、
砂利が入っていることがコンクリートの表面を均すのが難しい原因です。

DIYで玄関アプローチのコンクリート舗装をしたのは良いけど、上手く均せずに
表面が凸凹してかえって見栄えが悪くなったなんてことになりかねません。

砂利を入れないモルタルで舗装する方法もあるんですが、
コンクリートに比べるとモルタルは耐久性が少し低いんですね。

モルタルは主にコンクリートブロックなどの接着剤代わりに使われるもので、
玄関アプローチのように人通りの多い場所の舗装にはあまり向いていません。

コンクリート舗装は時間との勝負

セメントに砂と砂利を混ぜた生コンクリートに水を入れた瞬間から固まり始め、
2~5時間で固まってしまいます。

また固まったコンクリートの上からそのままコンクリートを重ねても剥がれてしまうので、
コンクリートが固まってしまうまでに作業を終えないといけないんですね。

ある程度コンクリートの取り扱いになれていないと、
どうしても途中でモタモタしてしまいますから、
不要な傾斜が付いたり表面が凸凹になってしまう可能性が高いわけです。

土の処分やコンクリートの取り扱いなどの問題を考慮すると、玄関アプローチの舗装は
自分でできないことはないけど業者さんにお願いした方が無難ということになりますね。

塀やフェンスを設置する

お隣さんの敷地や表通りに面しているお庭・サイドヤードに塀やフェンスを設置するのも、
自分でできなくはないですが安全面を考えて業者さんにお願いした方が良いですよ。

ブロック塀を設置するには、
まずブロック塀を設置する地面に溝を掘って踏み固めておかないといけません。

いわゆる転圧という作業を行うわけですが、
転圧せずにブロックを積み重ねるとブロックが沈んでいってしまいます。

全体が均等に沈めば良いですが、
沈み方が歪だとブロック塀が倒壊する原因となるので転圧はしっかりとしておきましょう。

転圧したら溝にモルタルを流し込んで表面を水平になるように均し、
ブロック塀の支柱となる鉄筋をブロック2列に1本の間隔でモルタルに挿します。

それから1段目のブロックを水平を取りながら置いていき、下のモルタルがある程度
固まったら1段目のブロックの上にモルタルを塗って2段目のブロックを置いていきます。

2段目を積んだら横に鉄筋を入れて、支柱となる鉄筋と交わる部分を針金で括り
モルタルで横に通した鉄筋を固定します。

後はこれを繰り返して必要な段数のブロックを積み上げれば完成です。

ちなみにフェンスを設置する場合は、基礎に1~2段のブロック塀を作ってその上に
フェンスを取り付けることになります。

塀やフェンスは何より強度が重要

塀やフェンスを自分で設置するのが難しい理由としては、
DIYで塀やフェンスを設置すると強度不足になる恐れがあるからです。

台風などの強い風でフェンスが倒れる、少し揺れの大きな地震でブロック塀が
倒壊するといったことがあってはならないですよね。

単にフェンスやブロック塀が倒れたり壊れたりするだけならまだ良いですが、
それによってお隣さんの建物に傷を付けたり表通りを歩く人をケガさせたりすると
大変です。

実際に大きな地震でブロック塀が倒れるといったことが起きていますから、
ブロック塀やフェンスの設置は自分でできるけどやらない方が良いと思いますよ。

ブロック塀の設置には様々な決まりがある

建築基準法でブロック塀に関するルールが定められていて、
そのルールに従ってブロック塀を設置しないと違法となってしまいます。

例えば
・塀の高さは地盤から1.2m以内
・塀の長さ4mごとに、塀の幅の1.5倍以上の控え壁を設置
・基礎の根入れ深さは20cm以上
などのルールがあります。

ただし高さや控え壁、根入れ深さの数値については、
基礎の構造やブロックの材質などによって変わります。

DIYでは建築基準法に則ってブロック塀を設置するというのはかなりハードルが
高いですから、やはりブロック塀の設置は自分でするのではなく業者さんに
お願いした方が良いですよ。

ちなみに私が住む地域では、ブロック塀を規定よりも低くしておいてブロック塀の上に
フェンスを取り付けるというのが主流になってきていますね。

駐車スペースを舗装する

駐車スペースをコンクリートで舗装するのは、1人だとちょっと難しいですが、
2人以上で作業できるならDIYでも可能だと思います。

玄関アプローチは段差が無い方が良いですが、駐車スペースに関しては
多少段差ができても車が乗り越えられる程度なら大きな問題にはなりません。

なので玄関アプローチを舗装する時のように土を掘り下げなくても、
転圧だけしてコンクリートを打っても大丈夫ですよ。

ただ駐車スペースは玄関アプローチに比べるとはるかに施工面積が広いですから、
1人だとコンクリートが固まる前に作業を終えるのが難しいですね。

2人3人で作業できるのであれば、表面をある程度均すところまで含めても、
コンクリートが固まる前に作業を終えられる可能性が高いです。

ですから作業を手伝ってくれる人が居るならDIYで、
居ないんだったら業者さんにお願いするのが妥当ですよ。

駐車スペースは多少傾斜があっても問題なし

駐車スペースのコンクリート舗装を自分で行うと、
水糸などを使ってきっちり水平を取らないと、傾斜が付いてしまいがちです。

コンクリートは水はけがあまり良くないので傾斜が付いている方が
良かったりするんですが、駐車スペースが傾斜していると車に影響が
出るんじゃないかと心配ですよね。

結論から言うと、
駐車スペースに多少の傾斜が付いていても車にはほとんど影響がありません。

確かに車を停めている間は、
傾斜が付いている方に車が傾くのでサスペンションの伸縮に差ができます。

さすがにそのまま何十年と車を停め続けていると車は傾いたままになってしまいますが、
そうでなければ走行中に自動的にサスペンションは元通りに調整されるように
なっています。

駐車スペースはきっちり水平である必要が無いので、
業者さんに頼まなくても自分でコンクリート舗装すれば良いってわけなんですね。

ただし駐車スペースが前後に傾斜している場合は、
車を停めたらしっかりとサイドブレーキを引いておきましょう。
(私の夫は傾斜の緩い場所だと駐車中にサイドブレーキを引かないことも多いので・・・)

カーポートの設置は業者に頼んだほうが良い

駐車スペースを舗装するだけならDIYで十分なんですが、
舗装した上にカーポートも設置するんだったら業者さんにお願いした方が良いですね。

ブロック塀やフェンスなんかと同じように、カーポートの設置では強度が重要となります。

台風などで想定を超えるような強い風が吹いたとして、カーポートが飛ばされないように
しっかりと駐車スペースに固定しておかないといけません。

そのためにはしっかりとした基礎工事が必要ですから、
業者さんにお願いした方が確実というわけです。

また、詳しい説明は省きますが、地域によってはカーポートの設置に建築許可申請が
必要だったりしますし、カーポートの大きさによっては自宅の建ぺい率や容積率に
関わってきます。

DIYだと建築許可申請にどういう書類が必要か分かりませんし、カーポートが自宅の
建ぺい率や容積率に関わる大きさなのかどうかも判断できないですよね。

業者さんにお願いすれば、別途料金はかかるものの建築許可申請は代行して
くれますし、カーポートが建ぺい率や容積率に関わるかどうかも調べてくれます。

安全性と手間の両方を考えて、カーポートの設置は自分でするのではなくて
業者さんにお願いする方が良いってわけです。

庭に花壇や家庭菜園の区画を作る

お庭にガーデニング用の花壇を作ったり、家庭菜園用の区画を作るぐらいは
DIYでも簡単にできるので、業者さんにお願いするまでもありません。

お庭に芝生を植えている場合は、モルタルで土留めをしておかないと
花壇や家庭菜園の区画に芝生が入り込んできてしまいます。

しかし芝生を植えていないんだったら別に土留めする必要は無くて、
レンガやブロックなどで区分けをするだけでOKなんです。

例えば花壇や家庭菜園の区画となる周辺に溝を少し掘って転圧、溝にレンガや
ブロックを並べて土で固定するだけで花壇や家庭菜園の区画ができちゃいますよ。

溝を掘って出た土は篩にかけて市販の培養土と混ぜれば、お花や野菜を育てるための
土壌として利用できるので土の処分方法を考えておく必要も無いんですね。

庭やサイドヤードの雑草対策

植物を育てていないお庭やサイドヤードに雑草が生えないように対策を施す外構工事も
DIYで問題無くできますよ。

雑草対策としてお庭やサイドヤードをコンクリートで舗装するとなると手間が
かかりますが、防草シートや砂利を敷き詰めるだけでも雑草は生えにくくなります。

まずお庭やサイドヤードなど雑草対策をしたい場所の雑草を取り除いて、
あとは防草シートを敷くか砂利を撒いて均せばOKです。

防草シートはズレたり捲れたりしないようにピンで止めたり重しを乗せたりしないと
いけませんから、防草シートの上に重し代わりの砂利を撒くというのもアリですね。

またお庭やサイドボードに砂利を撒いておくことで、
そこを人が歩くと音が鳴るのでセキュリティ―面での効果も期待できますよ。

外構工事にかかる費用

玄関アプローチや駐車スペースなどの外構工事を自分で行おうと考えるのは、
費用面のことが大きいと思います。

要するに業者さんにお願いすると高額な費用がかかるから、
DIYで外構工事にかかる費用を抑えようというわけですよね。

そこで外構工事をDIYで行った場合と業者さんにお願いした場合の
費用の差についても詳しく見てみましょう。

玄関アプローチの舗装にかかる費用

まず玄関アプローチの舗装にかかる費用ですが、
1㎡当たり大体6,000~10,000円といったところですね。

コンクリートで舗装する場合の必要な部材は
・セメント
・砂
・砂利
・ワイヤーメッシュ
ぐらいですから、ある程度質の良いものを使ったとしても1㎡当たり10,000円までで
収まる可能性が高いです。

玄関アプローチの標準的な幅は70~120cmなので、
施工面積はせいぜい2~3㎡といったところでしょうか。

そうすると玄関アプローチを自分で舗装した場合にかかる費用は、
大体20,000~30,000円ということになります。

じゃあ業者さんにお願いした場合はいくらぐらいかかるかと言うと、
施工面積や施工方法にも因りますが、少なくとも300,000円ぐらいはかかると
思った方が良いですね。

なので玄関アプローチの舗装をDIYで行う場合と業者さんにお願いした場合では、
単純に10倍ぐらいの費用の差があるというわけです。

とは言え、DIYだと仕上がりがキレイにならない可能性も高いですが、
業者さんであればキレイに仕上げてくれる可能性の方が高いです。

施工にかかる手間と仕上がりの状態を考えると、
業者さんだと10倍の費用がかかるのも仕方ないかなというところですね。

ブロック塀やフェンスの設置にかかる費用

次にブロック塀やフェンスを設置するのにかかる費用ですが、
DIYだと1m当たり大体5,000~20,000円ぐらいです。

自宅を取り囲むようにブロック塀やフェンスを設置するとなると、
DIYでも数十万円単位の費用がかかることになります。

対して業者さんにお願いした場合の費用は、
総額で300,000~1,000,000円ぐらいが「相場となっています。

さすがに自宅を取り囲むように設置するとなるともう少しかかる可能性もありますが、
それでも玄関アプローチほどの差はないんですね。

ブロック塀やフェンスの設置では何よりも強度と安全性が重要ですから、
たとい費用が高額でも業者さんにお願いするべきだと思います。

駐車スペースの舗装にかかる費用

DIYで駐車スペースの舗装をした場合にかかる費用は、
玄関アプローチの舗装と同じで1㎡当たり5,000~20,000円が相場です。

一般的な大きさの普通車(プリウス)の大きさが
・全長4.5m
・全幅1.7m
ぐらいなので、車1台分をきっちり収めるだけでも8㎡近くの面積が必要です。

前後左右に少し余裕を持たせると駐車スペースの面積は10㎡ぐらいにはなるので、
DIYでも駐車スペースの舗装には200,000円ぐらいかかる可能性があります。

業者さんにお願いした場合、
駐車スペースにコンクリートで舗装するだけなら200,000円ぐらいでやってもらえます。

カーポートを設置するとなると、カーポート自体の費用も含めて、
プラス200,000~800,000円で合計400,000~1,000,000円ぐらいはかかってきます。

駐車スペースの舗装はDIYでも可能ですが、費用面で大きな差が無いのであれば
業者さんにお願いした方がお得かもしれないですね。

庭やサイドヤードに防草シート・砂利を敷く

雑草対策としてお庭やサイドヤードの土部分に防草シートを敷いたり、
砂利を撒いたりするのにかかる費用は、DIYだと1㎡当たり1,000~5,000円程です。

平均的なお庭の広さは分かりませんが、3坪もあれば十分といったところでしょうか。

1坪は大体3.3㎡ですから3坪だと約10㎡となるので、DIYで防草シートや砂利を
敷くのには10,000~50,000円ぐらいかかることになります。

業者さんにお願いした場合の費用は、もちろん広さや施工面の状態などにも因りますが、
大体100,000円ぐらいが相場みたいです。

手間を考えると妥当な金額ですが、防草シートや砂利を敷くぐらいは自分でも
比較的簡単にできるので、2倍以上の費用がかかる業者さんにお願いするのは
ちょっともったいないですね。

自宅敷地内でも勝手に外構工事ができない!?

外構とは言っても自宅建物周辺の空間であり、当然自宅敷地内ではあるんですが、
勝手に外構工事ができないこともあるんです。

自治体ごとに「都市計画」が策定されており、
それに沿った内容の外構工事でないと施工できません。

もし都市計画を無視した内容の外構工事を勝手に行った場合には、
完成後でも撤去の指示が出される恐れがあります。

とは言ってもお庭や駐車スペースの外構工事が都市計画に関わることは無くて、
都市計画に関わる可能性が高いのはブロック塀やフェンスの設置です。

例えば自宅が緑化計画区域内だったりすると、
ブロック塀やフェンスではなく生垣の設置が推奨されていたりします。

また建築基準法とは別に、
ブロック塀やフェンスの高さに制限が設けられている場合もあります。

さらに道路に面した位置にブロック塀やフェンスを設置する場合には、ブロック塀や
フェンスを道路から何m離さないといけないという決まりがあったりもするんですね。

自治体によって都市計画の内容は違いますから、外構工事を行う前に自宅周辺が
どういった地域に指定されているのかを確認しておきましょう。

まとめ

外構工事は、少し難易度が高いもののありますが、
全てDIYでできないことはありません。

しかし玄関アプローチの舗装やブロック塀・フェンスの設置に関しては、
仕上がりの良さと安全面、駐車スペースは費用面を考慮すると
業者さんにお願いした方が良いと思います。

特にブロック塀やフェンスの設置については、万が一にも倒れたりすることがあると
大変ですから業者さんにお願いするようにしましょう。

お庭に花壇や家庭菜園の区画を作ったり、雑草対策で防草シートや砂利を
敷くぐらいなら業者さんにお願いしなくてもDIYでも問題ありませんよ。

 

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